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ネコ科

ネコ科

猫はネコ科の基本形だと私たちは思っています。

顔や姿はもちろん、さまざまな動き方もふくめてネコ科動物の姿は猫に集約されています。

といっても、ネコ科の動物たちは、猫以外ほとんど飼い慣らすことはできず凶暴です(笑)

ネコ科動物は、凍える大地から極度に乾燥した砂漠まで、人里離れた茂みから人間社会のど真ん中まで、地球上のあらゆる地域に生息しています。

ネコ科動物は狩猟の名人として知られるだけてみなく、力強さや優雅さで人々を魅了し続けています。

ここではネコ科の特徴や種類をみていきます。

魅力

ネコ科動物には、姿や姿勢だけしか共通点がないくらいに、約40種ものさまざまな動物がいます。

  • チーターのように速いもの
  • ライオンのように強いもの
  • サビイロネコのように小さなもの
  • アムールトラのように大きなもの

これらすべてがネコ科動物で、この多様性がネコ科の魅力だと思います。

そして、何よりも可愛いカッコいい。

「碧眼のルル」では、これらネコ科動物の驚異やナゾにも迫ります。

特徴

  • 肉食性
  • 身体がスマート
  • 速く走る
  • 口が大きく牙がある
  • 前後の足に鉤爪かぎづめがある

名前

ネコ科のなかで猫は小さいのに名前の科目名になっています。

なぜでしょう?

また、なぜネコ科という名前なのでしょうか?

そもそもネコ科は哺乳類の一種で、ネコ目(食肉目)のジャンルに区分されています。

ネコ目

ネコ目は熱帯から極地、森林から草原まで広く住んでいて大部分が肉食性です。頭が良くて運動能力も優れています。

口は大きく牙があり、噛む力は強く前後の足に鉤爪かぎつめをもっていて、体つきも獲物を捉えるのに適した形になっています。

ネコ目には次の科があります。

  • ネコ科
  • イヌ科
  • クマ科
  • パンダ科
  • アライグマ科
  • イタチ科
  • ジャコウネコ科
  • マングース科
  • ハイエナ科

戦闘の強さからいえば、ライオン科(シシ科)やトラ科という名前の方が相応しい気がしますが、ライオンやトラもネコ科のひとつ。

私は、ネコ科の動物のなかでネコが一番古くから存在したからだと思っていましたが、違うようです。

ネコ科の命名はリンネの『自然の体系』にさかのぼれそう。

ネコ科の仲間たち

リンネがネコ属(Felis)に一括した動物は7種。

  1. ライオン
  2. トラ
  3. ヒョウ
  4. ジャガー
  5. オセロット
  6. イエネコ
  7. オオヤマネコ

この7種は現在の現生ネコ科の範囲にほぼ対応しています。

ネコ科を正確に言うと、脊椎動物哺乳類ネコ目ネコ科。

さて、地球上には約40種類のネコ科の仲間たちがいます。

たとえば、地上最速の動物はチーターや、パワープレイヤーのライオンとトラ。これらは大型のネコ科動物ですが、約40種のネコ科動物のうち、小型といわれるものが33種もいます。

トラ

トラ(虎・寅)

  • 体長:140cmから280cm
  • 尾長:60cmから110cm
  • 体重:65kgから306kg

アジア地方の代表的な猛獣。体長は2メートルほどで黄色の地に黒い縞があります。他の動物を捉えて食べます。

アジア中部から東部に生息。インド、ネパール、スマトラ、中国東北部など。

ネコ科で一番大きい動物。夜行性で1頭で行動し、イノシシ、鹿、魚、昆虫など、さまざまな動物を食べます。

トラはライオンとならび、ネコ科動物のなかで力強い存在として知られています。縞模様が特徴で、美しい毛並みと素早い動きで獲物を狩ります。

トラは住んでいる地域によって身体の色や縞の数などが違います。違いがある地域のトラの特徴になっているものを亜種あしゅといいます。スマトラトラは小型で赤みが強く、ベンガルトラは大型でオレンジ色をびた茶色、最大のシベリアトラ(アムールトラ)は色があわあざやかです。👉トラの種類

ライオン

  • 体長:140cm から 250cm
  • 尾長:70cm から 105cm
  • 体重:120kg から250kg

猛獣の一種。体調は2mほどで黄土色。オスにはたてがみがあります。肉食でシマウマやキリンなどを倒して食べます。百獣の王や獅子ししともいいます。

アフリカのうち、赤道沿いの熱帯雨林を除く サハラより南の地域、また、インド北西部に生息。

オスは1頭から3頭、メスは15 頭ぐらい、その子供たちからなる群れをつくります。メスが中心となって協力して狩りをします。

上の写真はメスのライオンたちです。

ライオンはネコ科動物のなかでもっとも力強い存在として知られています。ライオンは草食動物を狩り、大きな身体と力強い咆哮はほかの動物たちを圧倒します。

インドにもライオンがいます。インドライオンはインド北西部のギル森林にだけ住んでいます。かつてライオンはインドからヨーロッパ南部やアフリカにかけて広く住んでいましたが、各地で絶滅し、この森林とアフリカにだけ残ったのです。インドにはベンガルトラも住んでいますが、ライオンは木がまばらな場所に、トラはやぶの多い場所にいるので、両者が出会うことはありません。

チーター

  • 体長:112 cm から 150cm
  • 尾長:67cm から 94cm
  • 体重:21kg から72kg

アフリカからアジア南西部(イラン北部)にかけて生息しています。

チーターは時速110km で走ることができ、陸上で一番速い動物です。ライオンなどと違って爪を出したまま走り、爪はスパイクの役目をしています。

キングチーターは南アフリカに多く見られます。模様が変わっていて、突然変異だと考えられています。

チーターは時速110kmで走ります。その速さの秘密は、①ほっそりした身体、 ②長い脚と足、③強い筋肉、④しなやかな背骨にあります。全身をバネにして大きく飛ぶようにして走り、長い尻尾は急カーブするときに身体のバランスをとるのに役立ちます。弱点は、全身を使って走るために疲れやすく、500m以上は速く走れないことです。

ジャガー

  • 体長:112 cm から 185cm
  • 尾長:45cm から 75cm
  • 体重:36kg から 158kg

北アメリカ南部、中央アメリカ、南アメリカに生息しています。

アメリカ大陸最大のネコ科動物で、森や川沿いの林に住んでいます。

魚、爬虫類、ネズミ、バグ、ベッカリー、ウミガメなどを食べます。

ヒョウ

  • 体長:91cm から191cm
  • 尾長:58cm から 110cm
  • 体重:28kg から 90kg

アジアやアフリカなどに住む猛獣。トラに似ていますが、それより小さく、黄色の地に黒の斑点があります。素早い動きで動物を捉えて食べます。食べ残したものを木の上に保存します。

アフリカ、アジア南部、アジア東部に生息しています。

体がしなやかでジャンプや木登りが得意です。

林や岩場に住んでレイヨウの仲間・鹿・猿・鳥・爬虫類などを食べます。インドのムンバイなどの都市では、餌を求めて街に出てくることもあります。

アフリカのサバンナに住むヒョウは獲物をとってもライオンやハイエナに横取りされでしてしまうことがよくあります。そんな時にヒョウは獲物を木のうえに運び上げてから食べます。自分の体重の2倍の重さの獲物を運び上げることができます。木の上は涼しいし、安心してゆっくり食事ができるのです。

ウンピョウ

  • 体長:61cm から 107cm
  • 尾長:55cm から 92cm
  • 体重:16kg から 23kg

アジア中部(インド)、東南アジア、中国南部に生息しています。

雲形の模様があるヒョウなので雲豹と書きます。

ユキヒョウ

  • 体長:100cm から 130cm
  • 尾長:80cm から 100cm
  • 体重:25kg から 75kg

中央アジアに生息しています。

夏は標高2700m から 6000m の花畑や岩場に住み、冬は1800m 以下の森林に住みます。

アジアゴールデンキャット

  • 体長:3cm から 105cm
  • 尾長:43cm から 56cm
  • 体重:8kg から 15kg

東南アジアや中国南部に生息しています。

森林に住み、トカゲ、キジ類、小型の鹿などを食べます。

アフリカゴールデンキャット

  • 体長:61cm から102cm
  • 尾長:16cmから 46cm
  • 体重:5.3kg から 16kg

アフリカ中西部に生息しています。

アジアゴールデンキャットに近い種で、木登りがうまく、多くの時間を木の上で過ごします。

ベンガルヤマネコ

  • 体長:35cm から 60cm
  • 尾長:15cm から 40cm
  • 体重:3kg から 5kg

インドからタイにかけて生息しています。

夜行性で木登りと泳ぎが上手です。

ジャングルキャット

  • 体長:50cm から 94cm
  • 尾長:23cm から 31cm
  • 体重:4kg から 16kg

アフリカ(エジプト)からアジア東南部にかけて生息しています。

草むら、薮、川辺のアシの茂みや開けた土地などに住み、日中によく活動します。小動物や鳥などを食べます。

カラカル

  • 体長:60cm から 92cm
  • 尾長:23cm から 31cm
  • 体重:6kg から 19kg

アジア西部(アラビアからインド西部)やアフリカに生息しています。

草原や丘に住み、夜に活動します。走るのが速くジャンプも得意で、小動物や鳥などを食べます。

イリオモテヤマネコ

  • 体長:60cm
  • 尾長:20cm
  • 体重:4kg

沖縄県の西表島に生息しています。

1967年に沖縄県の西表島で発見されたヤマネコです。絶滅が心配される動物の一つで、40頭から100 頭ぐらいしかいないと考えられています。

アムールヤマネコ

  • 体長:60cm から 107cm
  • 尾長:5cm から 44cm
  • 体重:5kg から 7kg

ヨーロッパ、シベリア東部、中国、東南アジアに生息しています。

夜行性で木登りと泳ぎが上手です。日本のツシマヤマネコはアムールヤマネコの亜種です。

マレーヤマネコ

  • 体長:41cm から 50cm
  • 尾長:13cm から 15cm
  • 体重:1.6kg から 2.1kg

東南アジアに生息しています。

夜行性で水辺が好きな猫です。魚を取るのが上手です。

リビアヤマネコ

  • 体長:50cm から 75cm
  • 尾長:21cm から 35cm
  • 体重:3kg から 8kg

ヨーロッパ南部から南アフリカ、アジア(インド) に生息しています。

リビアネコともいい、イエネコの祖先と考えられています。

スナネコ

  • 体長:45cm から58cm
  • 尾長:28cm から 35cm
  • 体重:1.3kg から 3.4kg

アフリカ北部(アルジェリア、エジプト)からアジア南西部(イスラエル、サルサウジアラビア)に生息しています。

乾燥した砂漠に住んで、日中は暑さを避けて穴に隠れ、夜間に小動物や昆虫などを捉えます。

サビイロネコ

  • 体長:35cm から 48cm
  • 尾長:15cm から 25cm
  • 体重:1.1kg から 1.6kg

アジア南部(インド南部・スリランカ)に生息しています。おもに夜行性で、小型哺乳類、鳥、爬虫類、昆虫などを食べます。

スナドリネコ

  • 体長:75cm から 86cm
  • 尾長:25cm から 33cm
  • 体重:7.7kg から 14kg

アジア南部(インド)から東南アジアにかけて 生息しています。

英語で「Fishing Cat」、一生を水辺で過ごします。

砂どり(魚やエビを採ること)の名前のとおり泳ぎが得意で、前足で魚をすくい上げて上手に捉えます。

外側の長い毛の下にはウェットスーツのように身体を保護する短い毛があり、足には水かき状の膜があり、水中の動きに適用しています。

長いヒゲで浅瀬の魚の動きを感知して、狙いやすい距離を測定します。

マヌルネコ

  • 体長:50cm から 65cm
  • 尾長:21cm から 31cm
  • 体重:2.5kg から 4.5kg

中央アジア(アフガニスタン、ロシア、中国)に生息しています。

耳が頭の下部についているので身を潜めやすいです。

マヌルとはモンゴル語で「小さい野生猫」という意味です。

サーバル

  • 体長:67cm から 100cm
  • 尾長:24cm から 45cm
  • 体重:8.7kg から 18kg

サハラ砂漠以南のアフリカに生息しています。別名「ティエルボスカット」。

走るスピードが速く、3mもジャンプして、飛んでいる鳥を捉えることができます。

クロアシネコ

  • 体長:32cm から 50cm
  • 尾長:15cm から 20cm
  • 体重:1.5kg から 2.8kg

アフリカ南部に生息しています。

ステップやサバンナに1頭で住んでいて、好物はアレチネズミ。

夜間に狩りをし、一晩で歩く距離は32km に及ぶことも。

アフリカ最小のネコ科動物で、獲物取得率はネコ科最高峰の60%。

オセロット

  • 体長:55cm から 100cm
  • 尾長:30cm から 45cm
  • 体重:11kg から 16kg

北アメリカ、とくに米国南部から南アメリカのアルゼンチンまで生息しています。

木登りが得意で、日中は木の上で生活しています。偽装に最適な毛皮ですぐに身を隠せるので、ほとんど目撃されません。

オセロット属のうちコドコドはとくに小さく、アメリカ大陸最小のネコ科動物。蛾を食べます。

マーゲイ

  • 体長:46cm から 79cm
  • 尾長:33cm から 51cm
  • 体重:2.6kg から 3.9kg

北アメリカ南部、米国テキサスを中心に生息し、南アフリカのブラジル辺りまで生息範囲は広がります。

オセロットに似ていますが、オセロットよりも小さくて、長い尻尾や大きな丸い目、それに長めの足や首などで区別できます。

ジャガランディ

  • 体長:55cm から 77cm
  • 尾長:303 cm から 60cm
  • 体重:4.5kg から 9kg

米国のテキサス南部から南米アルゼンチ北部まで生息しています。

身体は無地で模様はありませんが、毛色に黒色・赤色・灰色の3つがあります。

ボブキャット

  • 体長:65cm から 105cm
  • 尾長:11cm から 19cm
  • 体重:4kg から 16kg

カナダからメキシコにかけて生息しています。

オオヤマネコに似ていますが、オオヤマネコより小さくて、平原や荒れ地にいます。

獲物はウサギ、カモメ、小動物など。

スペインオオヤマネコ

  • 体長:85cm から 110cm
  • 尾長:12cm から 13cm
  • 体重:9kg から13kg

スペインやポルトガルを中心にヨーロッパに生息しています。

かつては南ヨーロッパに広く住んでいましたが、数が減って現在は150頭前後しかいないといわれています。

カナダオオヤマネコ

  • 体長:80cm から 100cm
  • 尾長:5cm から 14cm
  • 体重:5kg から 18kg

アラスカ、カナダ、米国北部に生息しています。

寒い地方の森林に住み、おもに地上で狩りを行ないます。

獲物はカンジキ、ウサギ、小鳥、ネズミなどです。

ユーラシアオオヤマネコ

  • 体長:80cm から 130cm
  • 尾長:11cm から 25cm
  • 体重:8kg から 38kg

西ヨーロッパからアジア、シベリア、インド北部、中国、朝鮮半島にかけて生息しています。

森林に住む大型の山猫でジャコウジカや鳥類を食べます。

ピューマ

  • 体長:105cm から 196cm
  • 尾長:66cm から 79cm
  • 体重:67kg から 103kg

カナダから南米アルゼンチンのパタゴニアまで生息しています。

ヤマネコ類のなかで一番大きく、クーガーやアメリカライオンともいいます。

木登りや泳ぎも得意でシカやリスなどを食べます。

バビール

バビールはネコ科動物のうち、優雅で力強い存在。

短い足と大きな耳が特徴で、その姿は異彩を放っています。バビールはおもに昆虫を狩ることで知られていて、独特な生態と愛らしい容姿で人々を魅了しています。

ネコ科最強リスト

ナショナル・ジオグラフィックというテレビチャンネルにはネコ科動物をとりあげた特集番組がたくさんあります。

それらの番組をもとに、生命力につながる観点からネコ科最強リストをまとめると次のようになります。

  • 走行速度:チーター(時速約120km)
  • 噛む力:ジャガー(体格比で)
  • 生息範囲:ヒョウ
  • 遠距離恋愛:ユキヒョウ
  • 空間認識能力:マーゲイ
  • 史上最強:サーベルタイガー

天敵

動物である以上、ネコ科にも天敵がいます。

ネコ目、ネコ科の動物は肉食ですから、餌となる動物だけでなく、餌を奪い合う動物も天敵になります。

奪い合う天敵の代表はハイエナ。ネコ科にとって、集団で群がるハイエナとの関係はシビアな問題です。およそライオン一頭に対してハイエナは3匹から5匹で近づいてきます。

それでは、餌となる動物の一例を簡単にまとめてみましょう。

  • ライオン vs 縞馬、水牛
  • トラ vs 鹿
  • オオヤマネコ vs 兎
  • オコジョ vs 鼠
  • ヒョウ・チーター vs ガゼル

映像紹介

インターネットにはネコ科の動物を紹介する映像がたくさんあります。

「碧眼のルル」では、それらのうち安心できるサービスを選んで、ネコ科おすすめの動画をご紹介しています。

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