アンニュイな表情のリアル猫が手のひらサイズに。インスタグラムで人気の著者MEBARUの初の著書。見ているだけでも癒される猫たちは、羊毛フェルトで作ることができます。猫をこよなく愛する著者の観察眼で、リアルなポーズを楽しめます。全12匹の完成作品を実物大写真つきで解説。柄のアレンジで「うちの子」にも対応。実物大型紙つき。初心者から上級者まで楽しめる癒し系クラフト本。

体裁
- ページ数:80頁
- サイズ:257×182mm(縦×横)
- ISBN:978-4-529-06299-2
- NVコード:70730
- 定価:1,650円(本体1,500円+税)
- 発売日:2024/02/14
- 出版社:日本ヴォーグ社
- 著者:MEBARU
もくじ
本書は、羊毛フェルトを使った手のひらサイズの猫(てのり猫)の作り方を中心に構成されています。具体的な章立ては以下の通りです(推定も含む)。
- はじめに:著者のメッセージと羊毛フェルトの魅力
- 基本の道具と材料
- 基本テクニック:羊毛の刺し方、形状の形成
- てのり猫の作り方(全12匹):各猫のステップバイステップ解説、実物大写真つき
- 柄のアレンジ方法:「うちの子」風カスタマイズ
- 仕上げと応用
- 実物大型紙
解説
この本は、羊毛フェルト作家MEBARUによる初の著書で、手のひらに収まる小さな猫「てのり猫」の作り方を詳しく紹介しています。著者MEBARUは、神奈川県在住のクリエイターで、猫好きでミニチュア好き。独学で羊毛フェルトを学び、見た人が思わずニコッとしてしまうような可愛い猫を目指して日々試行錯誤しています。作品には「世界に一つのあなたの宝物になりますように」という思いが込められており、読者が自宅で再現できるように工夫されています。
本のコンセプトは、羊毛フェルトの柔らかさと暖かさを活かしたリアルな猫の表現です。てのり猫のサイズは約4~6cmで、手のひらにちょこんと乗る小ささが魅力。1匹あたり40~50時間かかる丁寧な手作業で、毛並みや表情を本物らしく仕上げます。著者の観察眼が光るアンニュイな表情やポーズが、癒しを与えます。全12匹の猫が登場し、各々に実物大の写真と詳細な作り方が記載。初心者向けに基本から説明し、上級者にはアレンジのヒントを提供します。
著者の背景として、作家活動のきっかけは愛猫「めばる」との出会いです。1995年、仕事帰りに木の上で鳴く猫を見つけ、助けようとしたところ、翌日の大雨の中で自宅に現れました。このキジシロのオス猫を「めばる」と名付け、22年間一緒に暮らしました。めばるは人懐っこく、家族の面倒を見る優しい性格でしたが、2017年に亡くなります。年老いていくめばるの姿を残したいと思い、羊毛フェルトを始めました。本屋で羊毛フェルトの本を見つけ、「本物の猫に近いものが作れそう」とワクワクしたのがスタートです。最初に作った白黒猫にはめばるの面影があり、以後400匹以上を作成。めばるそのものは作っていませんが、「めばるを思いながら、めばるっぽい猫」を作り続けています。制作過程で思い出を振り返り、心が癒されるそうです。
制作過程の詳細を説明します。まず、必要な道具はフェルト針(スピード針、仕上げ針)、羊毛(各種色)、植毛ストレート、ニードルわたわたなど。基本形状として、頭部、体、脚、尾を羊毛で固めて形成します。針で刺し込んで立体感を出します。毛並みの表現にはグラデーション羊毛を使い、自然な質感を加えます。表情のポイントは目や鼻の細工で、ニコッとする可愛さを意識。色使いは三毛、キジトラなど多様で、本物の猫を参考にします。仕上げに目玉を貼り、ポーズを固定。バランスを保つために軽量構造を重視します。製作時間は1体あたり数時間から1日ですが、プロレベルでは40~50時間。失敗回避のTipsとして、羊毛の量を調整し、刺し過ぎないことなどが挙げられます。柄のアレンジで「うちの子」風にカスタマイズ可能で、例えばキジシロの模様を追加したり、ポーズを変えたりします。
本の内容は実践的で、ステップバイステップの図解が豊富。ビジュアル中心の80頁で、写真を通じて作品の可愛らしさが伝わります。羊毛フェルトの基本テクニックから始め、猫の体型や毛並みをリアルに再現する方法を解説。初心者は簡単なポーズから、上級者は複雑な表情に挑戦できます。例えば、座ったポーズの猫では、体の丸みを出すために羊毛を層状に刺します。遊ぶ姿の猫では、脚の動きをダイナミックに表現。実物大型紙が付属し、型紙を使って正確に作れます。
著者の活動はInstagram(@mebaru_felt_cat)で発信され、フォロワー約10万人。めばるとのイラストも別アカウント(@pinokotomebaru)で共有し、将来的に本化を目指します。2023年に個展を開催し、全国のイベントに参加。羊毛フェルトで生活できるのは「めばるの恩返し」と感じています。家族もその縁を不思議がり、めばるが助けを求めた出会いを運命的と語ります。
この本の魅力は、羊毛フェルトの楽しさと猫の愛らしさを融合させた点。癒しを求める人に最適で、ハンドメイドの入門書としても機能します。読者が作る過程で、著者のように思い出を紡げるでしょう。全体として、猫好きの心を掴む内容です。



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