猫写真家・沖昌之が3年半かけて20万枚以上撮影した中から厳選。必死になりすぎる猫たちの姿を集めた写真集。のけぞったり、踊ったり、変顔したりする一生懸命でおかしい猫たちに癒され、笑える一冊。

体裁
- 形式: ムック
- ページ数: 96ページ
- サイズ: 16 x 16 x 0.8 cm(正方形のコンパクトサイズ)
- 出版社: 辰巳出版
- 発売日: 2017年9月15日
- 言語: 日本語
- ISBN: 978-4777819454
- その他: カラー写真中心のビジュアルブックで、軽量で持ち運びやすい
もくじ
- 街で見つけた必死すぎるネコ
- 躍動感あふれる個性豊かな姿
- 外猫たちの日常を切り取る
解説
『必死すぎるネコ』は、猫写真家として知られる沖昌之氏の代表作です。沖昌之氏は1978年神戸生まれ。元々は家電の営業マンとして働いていましたが、アパレルのカメラマン兼販売員に転身しました。猫写真の道に進むきっかけとなったのは、初恋のネコ「ぶさにゃん先輩」だと言われています。この出会いが彼の人生を激変させ、猫の撮影に没頭するようになりました。脱サラして本格的に猫写真家として活動を始め、2017年に本作を出版。発売からわずか2週間で1万部を突破し、ネット書店や実店舗で売り切れが相次ぎ、重版が決定するほどの人気を博しました。現在ではシリーズ化され、累計8万部を超えるベストセラーとなっています。
本書の魅力は、何と言っても「必死すぎる」猫たちの姿にあります。タイトル通り、猫たちが何かに一心不乱に取り組む様子が、ユーモラスに捉えられています。例えば、壁を乗り越えようと大ジャンプする猫、舞う蝶を必死に追いかける猫、一心不乱に毛づくろいをする猫など、普段の生活では見逃しがちな瞬間を沖氏の鋭い観察眼で切り取っています。これらの写真は、ただ可愛いだけでなく、猫たちの愚鈍で滑稽な側面を強調し、思わず笑ってしまうような面白さを併せ持っています。沖氏自身、3年半にわたり20万枚以上を撮影し、そこから厳選した写真を収録。あなたの町にもいるかもしれない、身近な外猫たちの日常が、生き生きと描かれています。
写真のスタイルは、自然体を重視したものです。沖氏は街中を歩き回り、野良猫や地域猫を対象に撮影しています。スタジオ撮影ではなく、屋外でのスナップショットが多いため、猫たちの本能的な行動がダイナミックに表現されています。のけぞるポーズ、変顔、踊るような動きなど、猫の身体能力の高さと意外な表情が満載。読者はこれらの写真を通じて、猫の多様な性格や生態を垣間見ることができます。例えば、ある写真では猫が木に登ろうとして必死に爪を立てる様子が、もう一枚では仲間とじゃれ合う中でおかしなポーズを取る瞬間が捉えられています。これらはすべて、沖氏の忍耐強い待ち伏せとタイミングの妙によるものです。
本書の人気の背景には、現代社会のストレスフルな生活があります。忙しい日常の中で、猫たちの必死すぎる姿を見ることで、癒しや笑いを得られるのです。テレビ番組『スッキリ』(日本テレビ)で紹介された際には、キニナルジャーナルで話題となり、さらに注目を集めました。また、『天才!志村どうぶつ園』などのメディア露出も相まって、猫好きの間で口コミが広がりました。ベストセラー漫画『俺、つしま』の作者も絶賛しており、猫写真集界で実力No.1と評される沖氏の地位を確立しました。
読者のレビューからも、その魅力がうかがえます。「猫たちの表情が素敵で、ポーズがたまらなく楽しい」「可愛い猫たちの姿に癒され、何度見ても飽きない」「思わず笑っちゃう面白可愛い写真がいっぱい」といった声が多数。ある読者は「いちいち可愛らしいネコたちの決定的瞬間を捉えている。物凄い身体能力だと思ったり、これはどうなってるの?と不思議に思ったり」と感想を述べています。家族で楽しむ人も多く、子供から大人まで幅広い層に支持されています。一方で、沖氏の撮影スタイルは猫の自然な行動を尊重しており、強引なポーズを強いるようなことはありません。これが、動物愛護の観点からも好評です。
シリーズの続編として、『必死すぎるネコ 一心不乱篇』や『残念すぎるネコ』などが出版されており、それぞれテーマを少し変えつつ、沖氏のユーモアあふれる視点が継続されています。例えば、『一心不乱篇』ではさらに集中した猫の姿を、『残念すぎるネコ』では失敗したようなコミカルな瞬間を焦点に。こうしたバリエーションが、ファンを飽きさせません。また、カレンダー版や展示会も開催され、2022年には新宿の3D巨大猫1周年記念展「新宿の中心で必死すぎるネコ 写真展」が行われ、巨大パネルで作品を楽しめました。
沖昌之氏の猫写真は、単なる可愛い画像の集合体ではなく、猫の生態や人間との関わりを深く考えさせるものです。猫は独立心が強く、予測不能な行動を取る生き物ですが、本書ではその「必死さ」が愛おしく描かれています。読むことで、日常の小さな出来事に目を向けるきっかけになるでしょう。写真のクオリティも高く、カラー印刷で細部まで鮮やか。コンパクトなサイズなので、ベッドサイドやリビングに置いて、いつでもめくることができます。
さらに、沖氏の人生観が写真に反映されている点も興味深いです。営業マンから写真家へ転身した背景には、猫との出会いが大きく、インタビューでは「猫の必死な姿を見て、自分も必死に生きようと思った」と語っています。この本は、そんな沖氏の情熱が詰まった一冊。猫好きはもちろん、動物写真に興味がある人、日常の癒しを求める人におすすめです。発売から数年経った今でも、根強い人気を保っています。
まとめると、『必死すぎるネコ』はユーモアと愛情あふれる猫写真集の傑作。沖昌之氏の独自の視点が、猫の魅力を最大限に引き出しています。ぜひ手に取って、必死すぎる猫たちに笑いと癒しをもらってください。

 
  
  
  
  

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