島の猫

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『島の猫』は動物写真家・岩合光昭氏が、日本全国32の島々で暮らす猫たちを撮影した写真集。美しい島の風景の中で、愛らしくもたくましく生きる猫の姿を収めています。北は北海道から南は沖縄まで、多様な環境で適応する猫の魅力が満載。癒やしの1冊。

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出版社:辰巳出版
発行日:2014年4月15日初版発行
ISBN:9784777812943
サイズ・装丁:大型本
ページ数:本文127ページ
定価:1760円(10%税込み)

もくじ

  • 沖縄県(竹富島・渡嘉敷島・座間味島)
  • 鹿児島県(屋久島)
  • 熊本県(天草下島)
  • 長崎県(福江島)
  • 佐賀県(高島)
  • 福岡県(藍島)
  • 山口県(笠戸島・祝島・粭島)
  • 広島県(宮島・因島)
  • 岡山県(六島・真鍋島・犬島・頭島)
  • 愛媛県(青島)
  • 香川県(伊吹島・粟島・佐柳島・本島・男木島・小豆島)
  • 滋賀県(沖島)
  • 三重県(神島)
  • 愛知県(佐久島・日間賀島)
  • 新潟県(佐渡島)
  • 宮城県(田代島・網地島)
  • 北海道(天売島)

解説

「岩合光昭 島の猫」は、著名な動物写真家である岩合光昭氏が、日本各地の島々に暮らす猫たちをテーマに撮影した魅力あふれる写真集です。岩合氏は、長年にわたり野生動物の撮影を手がけてきた経験を活かし、猫の自然な表情や行動を捉えることで知られています。この本では、北は北海道の天売島から南は沖縄の竹富島まで、全国32の島を訪れ、そこで出会った猫たちの日常を美しい写真とともに紹介しています。島という独特の環境が、猫たちの生活にどのように影響を与えているかを、視覚的に伝えてくれる一冊です。

まず、本書の魅力は、猫たちの多様な姿にあります。各島の自然や人々の暮らしが背景となり、猫たちはそれぞれ独自の適応を示しています。例えば、沖縄県の竹富島では、亜熱帯の豊かな緑と青い海をバックに、のんびりと日向ぼっこをする猫の姿が印象的です。岩合氏の撮影手法は、猫の目線に近い低アングルを取り入れることで、まるで猫の世界に入り込んだような親近感を与えます。渡嘉敷島や座間味島でも、島の穏やかな波音が聞こえてきそうな風景の中で、猫たちが自由に遊ぶ様子が収められています。これらの写真は、ただ可愛いだけでなく、猫の好奇心や警戒心といった本能的な側面も表現しています。

鹿児島県の屋久島は、世界遺産に登録された自然豊かな島として有名ですが、ここでは森の奥深くで暮らす猫たちのたくましさが際立ちます。屋久杉の巨木や苔むした岩場を背景に、狩りをしたり、木に登ったりする猫のダイナミックなショットが楽しめます。熊本県の天草下島では、海沿いの漁村で魚を狙う猫の姿が、島の食文化と猫の生活の結びつきを物語っています。長崎県の福江島や佐賀県の高島では、歴史的な建造物や港町の風情が加わり、猫たちが人間社会に溶け込んでいる様子が温かく描かれています。

福岡県の藍島は、猫の数が多いことで知られる「猫島」の一つで、本書でも多くのページが割かれています。ここでは、群れをなして歩く猫たちや、住民と触れ合うシーンが満載です。山口県の笠戸島、祝島、粭島では、中国地方の穏やかな瀬戸内海の風景が広がり、猫たちが島の小さな神社や浜辺でくつろぐ姿が癒やしを与えます。特に祝島は、伝統的な漁業が盛んな島で、猫たちが漁師の傍らで魚を待つ様子がコミカルに撮影されています。広島県の宮島は、厳島神社で有名ですが、ここでは鹿と共存する猫のユニークな生態が紹介され、因島では柑橘畑の中を駆け回る猫の元気な姿が見られます。

岡山県の六島、真鍋島、犬島、頭島は、芸術の島としても注目される地域ですが、本書では猫たちが廃墟やアートインスタレーションの周囲で遊ぶ様子が芸術的に捉えられています。愛媛県の青島は、「猫の楽園」と呼ばれるほど猫の密度が高く、人間15人に対して猫100匹以上が暮らすというエピソードが有名です。ここでは、猫同士の交流や子猫の可愛らしいシーンが心を和ませます。香川県の伊吹島、粟島、佐柳島、本島、男木島、小豆島は、瀬戸内海の島々としてグループ化され、多様な猫のポートレートが並びます。小豆島のオリーブ畑や男木島の石畳の路地で、猫たちがポーズを取るような写真は、岩合氏の忍耐強い観察の賜物です。

内陸の滋賀県沖島は、琵琶湖に浮かぶ島で、淡水湖の環境が猫の生活に与える影響が興味深いです。三重県の神島は、伊勢湾の孤島で、険しい崖や灯台を背景に、猫たちの冒険的な一面が描かれています。愛知県の佐久島と日間賀島は、名古屋近郊の島としてアクセスしやすく、観光客と猫の関わりがテーマです。新潟県の佐渡島は、広大な自然と金鉱山の歴史を持ち、猫たちが雪景色や山道で逞しく生きる姿が感動的です。

東北の宮城県田代島と網地島は、「猫島」の代表格で、猫の数が住民を上回るほどです。ここでは、猫たちが漁港で魚を分けてもらう日常や、群れでのんびり過ごす様子がほのぼのとしています。最北の北海道天売島は、海鳥の島として知られ、猫たちが崖っぷちで風に吹かれる姿がドラマチックです。全体を通じて、岩合氏は猫を単なる被写体ではなく、島の生態系の一部として捉えています。写真にはキャプションが添えられ、各島の猫のエピソードが簡潔に記されています。

この写真集のもう一つの魅力は、癒やしの効果です。レビューでも「時間を忘れて眺められる」「猫島旅行のきっかけになった」との声が多く、猫ブームを後押ししています。岩合氏の他の作品、例えば「世界ネコ歩き」シリーズと連動し、島の猫が日本文化や自然の多様性を象徴している点が深いです。猫好きはもちろん、旅行好きや写真ファンにもおすすめです。島の静かな時間と猫の純粋な存在が、心をリフレッシュさせてくれます。本書を通じて、遠くの島へ思いを馳せ、猫たちの世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

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