本作『世界遺産の猫たち』は、8ヶ国16ヶ所のユネスコ世界遺産登録地で暮らす猫たちの日常をハイビジョンカメラで密着撮影した作品です。ポルトガル、スペイン、クロアチアなどヨーロッパの名所を舞台に、猫目線のローアングル映像とオリジナル音楽が融合し、癒しと世界遺産の魅力を提供します。シリーズ「猫の楽園」3部作の完結編です。

体裁
このDVDは、標準的なDVD-VIDEO形式を採用しています。片面2層記録方式により、総収録時間約156分を収容しています。映像はカラーでMPEG2圧縮を施し、アスペクト比は16:9 LBスクイーズ対応となっていますので、ワイドスクリーンでお楽しみいただけます。リージョナルコードはALLで、NTSC方式のため、日本国内のプレーヤーで問題なく再生可能です。音声はドルビーデジタル2chステレオを採用し、メインパートではナレーション付き(日本語)と音楽+現地収録音のみの2トラックを選択できます。エクストラパートは音楽+現地収録音の1トラックです。字幕は日本語1種で、非表示も可能です。コピープロテクトが施されており、家庭用として設計されています。品番はSDA94、発売日は2009年12月10日で、価格は税込4,180円です。パッケージは視覚的に魅力的なデザインで、ハイビジョン品質のクリアな映像を安定して提供する仕様。全体として、猫の細かな表情や動きを鮮明に捉える体裁が、視聴者の満足度を高めています。
構成
このDVDの構成は、オープニングから始まり、メインパートとエクストラパートに分かれています。メインパートは「世界遺産・猫の旅」と題し、11チャプターで各世界遺産の猫たちをナレーション付きで描きます。エクストラパートは「世界遺産で出会った猫たち」とし、5チャプターで猫の登場が少ない場所の記録を音楽中心でまとめます。メニュー画面からチャプター選択が可能で、柔軟な視聴をサポートしています。以下にチャプター一覧を示します。
- Chap.1: リスボン(ポルトガル) – 路地裏で井戸端会議を聞く猫
- Chap.2: ポルト(ポルトガル) – 魚市場で一日中眠る老猫
- Chap.3: トレド(スペイン) – 小雨の街路を歩く白猫
- Chap.4: スプリト(クロアチア) – ディオクレティアヌス宮殿に住む猫たち
- Chap.5: ドゥブロヴニク(クロアチア) – 船着き場で漁師を眺める猫
- Chap.6: コトル(モンテネグロ) – 城壁に守られた古い町の猫たち
- Chap.7: アマルフィ(イタリア) – 海岸の通りは猫の散歩道
- Chap.8: シラクーサ(イタリア) – 迷子になった子猫の小さな冒険
- Chap.9: アグリジェント(イタリア) – 神々が守る街に住む猫たち
- Chap.10: コルフ島(ギリシャ) – のんびり日向ぼっこする鴨と猫
- Chap.11: メテオラ(ギリシャ) – 奇妙な岩群の上にある修道院に住む猫
- Chap.12: バルセロナ(スペイン) – ガウディの創造あふれる街
- Chap.13: シントラ(ポルトガル) – 王室の避暑地
- Chap.14: ライン川上流谷(ドイツ) – 猫の城とネズミの城
- Chap.15: トロギル(クロアチア) – 中世の影が残る小さな出島
- Chap.16: モン・サン・ミッシェル(フランス) – 孤島の修道院
この構成により、猫中心の物語性と補完的な旅の記録をバランスよく展開しています。
あらすじ
このDVDは、世界遺産を「我が家」や「庭」として暮らす猫たちの日常を追った旅の物語です。8ヶ国16ヶ所の名所を巡り、猫目線で歴史的建造物や絶景を紹介します。メインパートでは、ポルトガルのリスボンで路地裏の猫が人々の会話を聞き、ポルトの魚市場で老猫が眠る様子から始まります。スペインのトレドでは白猫が小雨の街をさまよい、クロアチアのスプリトでは宮殿に住む猫たちの群れを描きます。ドゥブロヴニクの波止場で漁師を眺める猫、コトルの城壁内の猫たち、イタリアのアマルフィ海岸を散歩する猫、シラクーサの迷子仔猫、アグリジェントの神殿街で生きる猫たち、ギリシャのコルフ島でアヒルと日光浴する猫、メテオラの奇岩修道院に住む猫まで、多様なエピソードを展開します。エクストラパートでは、バルセロナのガウディ建築、シントラの王宮、ライン渓谷の城、トロギルの出島、モン・サン・ミッシェルの孤島で出会った猫たちを記録します。ナレーションと音楽が猫の視点から世界遺産の魅力を語り、癒しと発見を提供します。
解説
このDVD『世界遺産の猫たち Cats of the World Heritage』は、シンフォレストが手がけた「猫の楽園」シリーズの最終章として、猫と世界遺産のユニークなコラボレーションを実現しています。ハイビジョンカメラによるローアングル撮影が特徴で、猫たちの自然な行動を克明に捉え、視聴者に臨場感を与えます。ナレーションは黒沼弘己氏が担当し、穏やかな語り口で猫のエピソードと場所の歴史を解説します。音楽は秋山裕和氏のオリジナル曲で、シリーズ一貫したクオリティを保っています。
メインパートのChap.1では、ポルトガルのリスボンで路地裏の猫たちが登場します。石畳の狭い通りで、人々の井戸端会議に耳を傾けながらくつろぐ姿が微笑ましく、街の喧騒と猫の静けさの対比が印象的です。Chap.2のポルトでは、ドウロ川沿いの魚市場で老猫が一日中眠る様子を追います。魚の匂いに囲まれ、漁師たちの忙しない動きをよそに、ゆったりとした昼寝が癒しを誘います。Chap.3のスペイン・トレドは、中世の要塞都市で、小雨の中を白猫がさまようシーンが詩的です。霧雨が降る橋や教会の影で休む姿が、街の文化的融合を象徴します。
クロアチアのChap.4スプリトでは、ディオクレティアヌス宮殿に住む猫たちの群れを密着します。ローマ遺構内で石柱の間を駆け回る様子が、猫たちの適応力を示します。Chap.5ドゥブロヴニクは、アドリア海の真珠と呼ばれる城壁都市で、波止場で漁師を眺める猫の日常を描きます。赤い屋根と青い海を背景に、魚を狙う好奇心が活気を与えます。モンテネグロのChap.6コトルは、湾に囲まれた旧市街で、城壁内の猫たちが逞しく生きる姿を捉えます。急な坂道を登る猫の様子が、地震の歴史を持つ街の守りを連想させます。
イタリアのChap.7アマルフィは、崖上の海岸で猫たちが散歩するシーンが中心です。レモン畑や海を見下ろす階段でじゃれる仔猫が、絶景の魅力を倍増します。Chap.8シラクーサは、シチリアの古代都市で、迷子仔猫の冒険を追います。オルティージャ島の噴水や市場での交流が、無邪気さを強調します。Chap.9アグリジェントは、神殿群の谷間で猫たちが神々に見守られながら生きる様子を描きます。オリーブの木陰で休む姿が、古代の荘厳さと野生の調和を示します。
ギリシャのChap.10コルフ島では、アヒルと猫が日光浴する珍しい共演が見どころです。港の広場で並んでくつろぐ姿が、異種動物の平和を表します。Chap.11メテオラは、奇岩上の修道院で猫たちが住みつく神秘的な生活を低アングルで克明に記録します。岩肌を登る猫の姿が、アクセスしにくい場所での適応を際立たせます。
エクストラパートのChap.12バルセロナは、ガウディ建築あふれる街で猫を探す旅です。サグラダ・ファミリア周辺の奇抜な建造物と猫の影が交錯します。Chap.13シントラは、ポルトガルの王家避暑地で、宮殿の庭や森道で出会う猫を記録します。Chap.14ライン渓谷は、ドイツのネコ城とネズミ城の伝説的な風景で、川沿いの猫を探します。Chap.15トロギルは、クロアチアの中世出島で、海に浮かぶ路地の猫の気配を追います。Chap.16モン・サン・ミッシェルは、フランスの孤島修道院で、潮の満ち引きの中の猫を描きます。
全体を通じて、猫たちの自由奔放な生活が世界遺産の文化的価値を再発見させます。この作品は、癒しだけでなく、教育的な側面も持ち、猫好きや旅行好きの方々に特におすすめです。シリーズの完結編として、スタッフのチームワークが光る仕上がりとなっています。



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