ワクチンの意義と子猫をとりまく病気

イエネコ
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子猫の病気には感染したら命に関わる怖い伝染病があります。

そんな病気にかかる前にワクチン接種で子猫の体内に抵抗力(抗体)をつけておくのがワクチンの目的です。

ここではワクチンの意義と子猫をとりまく病気について説明しています。

ルルの場合(混合ワクチンとレボリューション投与)

混合ワクチン

私たちのラグドールルルは2023年10月25日生まれ。

2024年1月・2月にそれぞれ1回目・2回目の予防注射接種を行ないました。

次の写真2枚がその証明書です。

ラグドール猫ルルの予防注射接種証明書(1回目)

この証明書に、次回接種は2024年2月1日頃と指示があります。

これを受けて接種した証明が次です。

ラグドール猫ルルの予防注射接種証明書(2回目)

この証明書には次回接種を翌年同月に指示しています。下の箇条書きのうち「混合ワクチン」をご覧ください。

この接種(混合ワクチン)をふくめた獣医師推奨の予防医療の案内が証明書の裏面に記載されていました。

写真でも転載し、文字で書きだします。

ラグドール猫ルルの接種で行なった混合ワクチンをはじめとする獣医師推奨の予防医療

  • 混合ワクチン…(上に示した2枚の写真)初年度に2回、以降1年に1回の追加接種を推奨します。猫カリシウイルス・猫ウイルス性鼻気管炎・猫汎白血球減少症・(猫白血病ウイルス・猫クラミジア)。
  • フィラリア・ノミ・マダニ…フィラリアは蚊の発生1ヶ月後から終息1ヶ月後までの時期、ノミ・マダニは外気温13℃を超える時期を目安に予防薬を投薬することを推奨します。
  • 定期駆虫…消化管内には寄生虫が存在する可能性があります。特に症状がなくても、1年に1回以上駆虫薬を投薬することを推奨します。
  • 避妊去勢手術…性ホルモンに関連する病気の予防や発情期の問題行動を抑制するために、生後半年頃に行なうことを推奨します。

上述のように、混合ワクチンは複数の感染症を一度に予防できます。ネコでは3種から7種混合のほか、猫白血病ウイルス感染症、猫免疫不全ウイルス感染症には単体のワクチンもあります。どのタイプを接種するかを獣医師に相談して、適切なものを選択します。

レボリューション投与

レボリューション投与証明書(表面)

レボリューション投与証明書(裏面)

こちらはレボリューションという薬を投与した証明書です。投与日は2024年1月4日。

レボリューション投与によって次の害虫を駆除したり予防したりできます。

  • ノミ成虫、ノミ卵、ノミ幼虫
  • フィラリア
  • ミミヒゼンダニ
  • 猫回虫
  • 猫鉤虫(レボリューションプラスのみ)
  • 猫マダニ(レボリューションプラスのみ)

ワクチンの意義

子猫は母猫から初乳を介して母猫のもつ免疫を譲りうけます。

この免疫を移行抗体といい、この免疫が有効な期間は生後45~90日くらいまでで、だんだんと効果がなくなります。

つまり、母親から受け継ぐ抗体は一生続くものではなく、抗体の効力が切れる時期を過ぎると、病気に対する抵抗力が失なわれる危険な時期になっていきます。

これを防ぐのが1回目のワクチン接種。

しかし、母譲りの免疫が少しでも残っていると、せっかくのワクチン接種も十分な効果が得られないのです。

そこで、より確実に免疫をつけるために、1回目のワクチン接種から3週間・4週間を置いた後、追加で1回か2回の接種が必要です。

ワクチンによる免疫は約1年しか効果がなく、毎年継続してワクチン接種を受けさせてあげる必要もあります。

ワクチンをきちんと接種すれば、ネコの伝染病を未然に防ぐことができます。接種時期を獣医師と相談しながらワクチン接種を行ないましょう。

ワクチン接種で予防できる病気

ワクチン接種で予防できる病気には次のようなものがあります。

  • 猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス)
  • 猫カリシウイルス感染症
  • 猫ウイルス性鼻気管炎
  • 猫白血病ウィルス
  • クラミジア病

なお、まだ適正な回数のワクチン接種を終えていない子猫にとって、はじめての外出となるのがワクチン接種の日。病原菌を近づけないために、病院へ行くときは抱っこして連れて行くのではなく、必ずキャリーバッグに入れましょう。

ワクチン接種が推奨されるネコの伝染病

  • 猫ウイルス性鼻気管炎:くしゃみや咳など風邪に似た症状がでます。空気感染だけでなく目ヤニや鼻水などの分泌物と接触することで感染します。子猫が感染すると命に関わることも。
  • 猫クラミジア症:重度の結膜炎を引き起こし、目ヤニや涙目のほかに、慢性肺炎や鼻炎、くしゃみや咳などの風邪に似た症状も見られます。
  • 猫パルボウイルス感染症:致死率の高い病気で、激しい嘔吐・下痢・血便などの症状が出て、極度の脱水症状によって急死することも。
  • 猫白血病ウイルス感染症:白血病やリンパ腫をはじめ、さまざまな疫病を誘発。発熱・下痢・貧血・体重減少 などの症状。
  • 猫カリシウイルス感染症:重症化すると口や舌に潰瘍や水泡ができ、肺炎を起こすことも。ネコとの接触による感染がほとんどですが、飛沫感染・空気感染や手、衣服、食器などから感染することもあります。

ワクチン完了(2回目)前にしてはいけないこと

ワクチンが完了するまでは、右記のような行為は極力避けるようにしましょう。

  • 体を洗う
  • 外出(散歩に行く)

消化器官の寄生虫

寄生虫には下記のようなものがあり、母猫のお腹の中やお乳をとおして感染することがあります。

ペットショップでは、入店時に駆虫薬を与えているところもあります。しかし、子猫は未熟なので、完全に排除することは難しく、お腹の調子が悪いなどの消化器の症状が出れば、動物病院で繰り返し糞便検査をして必要に応じた処置を受けるべきです。

  • 回虫
  • こう虫
  • 鞭虫
  • 条虫
  • フンセン虫
  • コクシジウム
  • トリコモナス

皮膚に寄生するもの

皮膚に感染・寄生するものとして下記のものがあります。

成長による毛の抜け変わりや栄養状態によって変化しますが、痒がったり湿疹などの異常があるときは、早めにネコを成約店や動物病院などに連絡しましょう。

  • ダニ類(耳ダニなど)
  • カビ類
  • ノミ

猫伝染性腹膜炎について

猫伝染性腹膜炎はウィルス感染による病気で、猫腸コロナウイルスという軽度な炎症しか起こさない、多くのネコが感染しているウィルスの突然変異と考えられています。

フィラリアにも要注意

フィラリアは、心臓や肺動脈に素麺状の寄生虫が宿る病気。

一度かかってしまうと治療の難しい恐ろしい病気です。

蚊を伝染媒体にしているため、蚊の発生時期に合わせた予防薬の投与が必要になります。

血液検査などで寄生の有無が確認できるので、はじめてフィラ リア予防を始めるときは、動物病院で血液検査などをします。

地域差がありますが、だいたい5月から12月までの間、月に一度の予防薬投与をしっかり行なえば予防できます。

フィラリア感染の流れでは、まず蚊に刺されてフィラリアの子虫が体内に侵入し、やがて子虫が成長して心臓に達します。

これを防ぐには、成長した子虫が心臓に到達する前に薬で駆除します。薬には錠剤タイプ、チュアブルタイプ、液状スポットタイプ、注射薬などさまざま。どのタイプにするかを、獣医師に相談して適切なものを選びます。

自宅でできる健康チェックは?

ネコは言葉を話せません。いくら具合が悪くても、感じている症状を飼い主や獣医師に伝えることができないのです。

様子を見てあげることは飼い主の私たちしかできません。

そこで、可愛いネコちゃんの異常をいち早く見つけるために自宅で簡単にできる健康チェックの方法をご紹介。

全体的なチェック

  • 元気に動き回れているか
  • 食事をしっかりとっているか
  • 身体・皮膚・毛並みに異常はないか
  • ウンチやオシッコの状態に異常はないか

部分的なチェック

  • に症状…目ヤニが出ていないか
  • に症状…ベタベタした鼻水が出ていないか
  • の症状…耳は汚れていないか、痒がっていないか
  • の症状…口臭はひどくないか
  • 肛門・陰部周囲の症状…ウンチなどで汚れてはいないか、痒がってはいないか

これら以外にも気になる症状があれば、ネコ成約店か動物病院などへ相談しましょう。

人と動物の共通感染症

動物から人へ・人から動物へ移る病気を人と動物の共通感染症といい、200種類以上あるそうです。

おもな共通感染症やネコがかかりやすい感染症には次のようなものがあります。

トキソプラズマ症

ネコがこの病気にはじめてかかると、ウンチにオーシスト(虫の卵のようなもの)を排出します。これが人への感染源となります。人に感染しても症状がでないことが多いですが、 妊娠時に初期感染すると胎児に影響を与えることがあります。

皮膚糸状菌症、かいせん症

ネコの皮膚病の原因はさまざま。糸状菌(カビの仲間)や疥癬かいせん(ダニの一種)によるものは、人にも感染することがあります。脱毛や皮膚異常が見られたら、早めに獣医師の診察を受けましょう。

猫ひっかき病

人がネコにひっかかれたためにリンパ節が腫れたり発熱症状を示したりする病気です。

ネコひっかかれたときは、小さな傷でも必ず消毒をしましょう。

パスツレラ症

この感染症は、多くのネコやイヌの口腔内の常在菌として存在するパスツレラ菌によるもの。

ほとんどの場合、ネコ・イヌでははっきりとした症状は出ません。まれに、ネコが肺炎や皮膚が化膿して皮膚炎になることがあります。人の場合は、動物からの受傷や口写しなどによる過剰接触で感染したとき、2日以内に皮膚症状や呼吸器症状が出ることがあります。

ジアルジア症

内部寄生虫症の1つで、移動や環境変化によってストレスが強まったときに発症しやすくなります。

おとなのネコ・イヌの場合は無症状のことが多いですが、子猫・子犬だと下痢、嘔吐、発育不良がみられることがあります。

共通感染症で気をつけること

  • 予防接種は毎年必ず行なう
  • 口うつしで食べ物をあげない
  • ネコちゃんと過剰なふれあいをさける
  • ネコちゃんに異常が見られたらすぐに動物病院へ行く
  • お部屋の中やケージの中は常に清潔に保つ
  • 排泄物は早めに片付ける
  • ネコちゃんを触ったら必ず手を洗う
ミミ
ミミ

共倒れは一番悲しい…。

ルル
ルル

不明な点があれば動物病院へすぐに相談しましょう。

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