ネコの社会化
ネコの社会化とは、順応性がある時期(生後3週間から16週間まで)にネコをさまざまな環境へ慣れさせることです。
とくに、ネコが飼い主などの人間と一緒に暮らしていくうえで必要な適応力を身につけること。
社会化を成功させるポイントは、どのように「好き」を増やすかです。
はじめての経験を嬉しいことや楽しいことと結びつけて、どんどん好きなことを増やしていきます。
もちろん、社会化の時期に「嫌い」と認定するものが増えると、極端な人見知りになったり、ますます警戒心が強くなったり、ネコ自身も生活しにくくなってしまいます。
トラウマをたくさん増やすのは良くありませんから、無理のない範囲で少しずつ「好き」を増やしていきましょう。
ここでは次の観点からネコの社会化を紹介しています。
- 人に慣れさせる
- 無理はしない
- いろんな環境に慣れさせる
- ケアに慣れさせる
- ケージやキャリーバッグに慣れさせる
人に慣れさせる
人と暮らす子猫にとって人慣れはとくに重要。
優しく撫でてあげたり、抱っこをしてあげたり、人とのふれあいを大切にしましょう。
ただし、過剰な接触は子猫を疲れさせてしまいます。必ず睡眠時間をたっぷりとります。子猫は1日15時間以上睡眠が必要。
無理はしない
子猫は順応性が高くて感受性が豊かなので、この時期に怖い経験や嫌な体験をすると、強く印象づけられてしまうことがあります。
子猫に新しい体験をさせるときは、ゆっくり焦らず、その子猫のペースに合わせてあげます。嫌がっているときは無理をさせないことが大切。
いろんな環境に慣れさせる
この時期の子猫は順応性があって周囲の環境に慣れやすいため、この時期にできるだけたくさんの体験をさせてあげます。この時期に慣れたものは、その後に生活環境が変化しても、変化を受け入れやすくなります。
具体的には次のような動作がおすすめです(無理のない程度に)。
- 家族以外の人におやつをもらう、遊んでもらう
- 動画を使って動物の鳴き声など、さまざまな音を聞かせる
ケアに慣れさせる
この頃からケアの習慣をつけておけば、成猫になってからもケアを嫌がらなくなります。
ブラッシングなどのケアは、毛のもつれを防いだり、体を清潔に保ったりできるだけでなく、飼い主とのコミュニケーションにもつながります。
優しくブラッシングすることからはじめ、嫌がって抵抗するときは、おもちゃで遊ばせたり、褒美をあげながらやるとよいでしょう。
ケージやキャリーバッグに慣れさせる
飼い主が外出するとき役立つケージや、動物病院などへ連れて行くとき便利なキャリーバッグ、クレートなどに慣れさせることも大切。
このことは飼い主にとって便利なだけでなく、子猫の自立心を育てることにもつながります。
はじめは扉を開けた状態でケージやキャリーバッグのなかに褒美を入れて、子猫に「中に入ることはよいこと」だと学ばせます。
中に入ることに慣れてきたら、数秒間だけ扉を閉め・また開けての繰り返し時間を少しずつ伸ばしましょう。
キャリーバッグやクレートに慣れると動物病院へ連れて行きやすくなります。
そのうえで、さらに病院嫌いを減らすにはこんな方法もあります。
- 病院へ行ったときだけ与える特別なおやつを用意
- 病院スタッフからおやつを付与
- 体重を計るだけなど嫌なことをされない通院
キャリーバッグやクレートに入れて動物病院へ連れて行こうとするとネコが鳴きわめくのは、注射が怖いからではなく、自分の縄張りから出るのが怖いからです。
動物病院が縄張りから出ても安心できる場所だ、と認識できるようにするのがコツです。
最近では、待合室や診察時間がイヌ・ネコで分かれているようなキャット・フレンドリー・クリニックや、ネコ専門の動物病院もあるので、それらを使うのも一手です。
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